10日前の僕らが、もう答えを出してた——AIと半日かけて“車輪の再発明”をしかけた話
AIは超天才で、記憶がザルでした。だから“外付けの記憶”を作ってみた
いやね、金曜の夕方だったんですよ
ある地方で、いくつも拠点を持ってる会社さんの「経営ダッシュボードを作る」という案件がありまして。
その日は朝から、うちのAIチーム(アナ、テッド、デックス)と一緒になって、GHL(ゴーハイレベル)っていう業務システムの画面に、経営の数字をどう表示させるか、ずーっと技術検証してたんです。
売上、粗利、経費、人件費率。この4つの数字を、社長がパッと見て経営判断できる一枚の画面にしたい。
半日、ああでもないこうでもないと、AIたちと実機でテストを繰り返してました。
で、夕方。
ふと、気になったんですよ。
「……あれ? この作業、前にもやってなかったっけ?」
過去のシステムログ(AIが吐き出す作業記録の生ファイル)を、なんとなく検索してみたんです。
そしたら。
出てきたんですよ。ちょうど10日くらい前の記録が。そこには、今日とまるっきり同じ検証を、100%成功させて、ちゃんとログに残してたって書いてある。
「……まじか。とっくに終わってたのか、これ」
脱力ですよ。半日かけて、僕らは“車輪の再発明”をしてたわけです。
GHLには、地味だけど手強い“壁”がある
ちょっとだけ技術の話をさせてください。(詳しくない方は雰囲気で大丈夫です)
GHLの標準のダッシュボードって、実は「売上」みたいな金額系の数字は綺麗にグラフにしてくれるんですけど、「粗利」や「経費」や「人件費率」みたいな、経営者が本当に見たい数字は、標準のままだとグラフの縦軸に選べないんです。
自分で数値の項目を作っても、集計の対象にできない。実際に画面を触って、そこは轟沈しました。
じゃあどうするか。
一つ目の裏技。粗利を、システムに「金額(案件の値段)」として持たせてあげる。そうやって遠回りすると、標準のグラフが素直に描いてくれる。売上とピッタリ1円まで合いました。
でも、それでも経費や比率まで入った“表”は無理。
そこで二つ目、これが本命でした。
HTMLで作った表を、そのままダッシュボードの中に埋め込んじゃう方式。専門用語で「srcdoc(エスアールシードック)」っていうんですけど、外部にサーバーを立てなくても、コードごと表を丸っと画面にはめ込める。
これが、実機で、ちゃんと通った。拠点別に売上の高い順、危ない比率だけ色を変える、そこまで動いた。
……はい、もうお気づきですね。
この一連の突破、ぜんぶ10日前に成功させてたやつなんです。
AIは超天才。でも、記憶がザルだった
ここで僕、大事なことに気づいたんです。
みんな、ChatGPTとかClaude(クロード)とかの最新AIを「超天才」だと思ってる。実際、難しいコードを秒で書くし、頭のキレは僕なんかよりずっと上です。
だから人間って、無意識にこう思っちゃう。
「AIは天才なんだから、この前やったことも覚えてるはずだよね」
「覚えてないってことは……あれ、僕の記憶違いかな?」
で、自分の記憶のほうを疑い始める。AIはAIで、前回の会話がプツッと切れると、きれいさっぱり忘れてる。
この“両想いの記憶喪失”が、無限ループを生むんです。
「わいわいアイデア出して、楽しかったね!……で、何だっけ?」
年取ると打ち合わせの内容もすぐ忘れる僕としては、他人事じゃないんですけど(笑)、要するにAIって、
局所的な頭のキレは天才級。なのに、中長期の記憶がほとんど無い。
言っちゃえば、超優秀だけど、ちょっと忘れっぽいにも程がある同僚。そんな感じなんですよね。
だったら、記憶は“外付け”にすればいい
じゃあどうするか。答えはシンプルでした。
AIに無理やり覚えさせようとするから、しんどい。
忘れることを前提にして、外側に“絶対に忘れない記憶”を置いておけばいい。
うちで言えば、AIが吐いた作業ログとか、業務システムのデータとか、10年分たまってきた自分のメモ(僕はこれを「第二の脳」と呼んでます)。これを“真実の置き場所”に決めて、
セッションが始まった瞬間に、AIが自分で過去の記録をサーッと読みに行く。
そして「あ、それ7月6日にもうやって成功してますよ」って、作業を始める前に自分でツッコんでくれる。
やることは、たった3つ。
過去10日くらいのログを、始まりに自動でスキャンする。
「もう済んでる」ファクトを、AI自身に思い出させる。
同じ検証をもう一回やろうとしたら、そこで一回止める。
これを組み込み始めてから、なんというか、ゲームで言う「強くてニューゲーム」みたいな感覚になってきました。昨日までの積み上げを、ちゃんと持ったまま今日が始まる。
で、思ったんです
「AIで仕事が早くなった」って言う人、たくさんいます。
でも僕、本当に効くのはそこじゃない気がしてて。
大事なのは、1回のセッションで速く作ることじゃなくて、この前の閃きや、苦労して掴んだ突破口を、二度と失くさないこと。
AIの天才っぷりを褒めるのは、そろそろ卒業してもいいのかもしれません。
「こいつ、頭はいいけど忘れっぽいからなあ」って、ちょっと笑いながら、外付けの記憶で支えてあげる。
金曜の夕方、半日を溶かしかけた僕が、たどり着いたのはそういう話でした。
まあ、最初からログ見ろよ、って話なんですけどね。
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ニタさん、初めまして!
「AIは記憶がザル」というトピックが目に留まり、読ませていただきました。AIは忘れがちですよね。でも思考停止で全部舐めるようにするとコンテキスト足りなくりそうで。
ぼくもAI活用とSubstack発信を頑張っているので、一緒に盛り上げていけたらと思い応援させていただきます。また遊びに来ます!