先延ばし癖のある社長が、20分ごとに仕事が進む会社を作った方法
僕の意志力は当てにならないので、意志力の要らない構造にしました
先延ばしの対策を、自分を変える方向で考えるのをやめました。ADHD傾向で先延ばし癖のある僕がやったのは、20分ごとに仕事を拾って進める仕組みを、会社に置くことです。
僕の意志力は当てにならないので、意志力の要らない構造にした。今日はその話です。
(お決まりの断りですが、これはお医者さんの話ではなく、僕自身の性格クセとのつきあい方、体験談と仕組みの話です)
半年、出せなかった教材
僕の先延ばしの実績を、先にひとつ白状します。
自分の教材を、半年出せませんでした。中身はとっくに完成していたんです。残っていたのは、購入者に特典を届けるフォームと自動返信の仕組みを作る、という周辺作業だけ。緊急じゃないけど大事なやつです。この手のタスクは、僕の中で後回しの殿堂入りをします。誰にも催促されないタスクは、優先順位表の上で静かに風化していく。
それが、AIに任せる体制へ変えたら、72時間で発売まで行きました。半年動けなかった僕の気合の問題ではなく、構造の問題だったわけです。同じ人間、同じ案件で、変えたのは流れ方だけでこの差が出ました。
会社に「20分ごとに見回る係」を置いた
いま、うちの会社にはこういう仕組みがあります。
やることを入れる箱がひとつあって、AIが20分ごとにその箱を見に行きます。仕事が入っていれば取り出して、実行して、結果を置いて、また20分後に見に行く。うちでは今朝、1回の見回りで4本の仕事が連続で片づいていました。僕はその時間、朝ごはんを食べていました。
先週テストしたときは、箱に仕事を入れてから、AIが拾って動き出すまで18秒でした。僕の腰の重さと比べたら、光の速さです。
なぜ20分間隔なのかというと、うちの仕事は1本が15分から50分くらいで終わるからです。仕事の長さより短い間隔で見回れば、箱が空くたびに、待ち時間ほぼゼロで次が始まります。人間の集中力のリズムに合わせたのではなく、仕事の長さに合わせた数字です。
ポイントは「やる」と「入れる」の分離
ここが今日いちばん書きたいところです。
僕の先延ばしをよく観察すると、止まっているのは「やる」の部分でした。着手する、続きをやる、仕上げる。ここで腰が上がらない。
でも「入れる」は止まらないんです。やることを箱に一行書いて入れるだけなら、10秒で終わる。腰の重さが発動する間もない。先延ばしは「作業が嫌い」ではなく「着手が起きない」現象なので、着手を仕組みの側へ移してしまえば、嫌いなままでも仕事は進みます。
だから仕組みはこう割りました。僕の担当は、箱に入れるところまで。そこから先の、拾う、始める、進める、締め切りを見張るは、ぜんぶ20分ごとの見回りの側。先延ばしが起きる工程を、僕の手から取り上げたことになります。
僕がやめた3つのこと
この仕組みにしてから、僕は3つのことをやめました。
やる気が出るのを待つこと。締め切り前夜の自分を信じること。計画に自分の意志力を組み込むこと。
どれも、30年近く僕を裏切り続けてきた当てです。代わりに信じることにしたのは、箱と、20分ごとの見回りです。こちらは今のところ、一度も裏切っていません。
「終わらせる判断」まで任せる
もうひとつ、先延ばしには裏の顔があります。完璧主義です。
僕はあの教材の原稿を12版まで書き直しました。放っておくと、いつまでも出さない理由を製造し続けるんです。だからうちでは、切り上げの判断もAI側に持たせています。実際、発売前のトラブル対応で僕が「もう終わりにしたい」とこぼしたとき、AIは残っていた問題を「売上が出てから直す改善タスク」に格下げして、本当に終わらせました。
始める側だけでなく、終わらせる側にも、僕以外の力が要る。僕の場合はそうでした。
先延ばし対策は、自分改造じゃなくてもいい
半年止まっていた人間の会社で、いまは20分ごとに何かが進んでいます。変わったのは僕の性格ではなく、仕事の流れ方です。
先延ばしの対策を探している人は、自分を変える方法と一緒に、「入れるだけで進む構造」を作る方法も候補に入れてみてください。僕には後者しか効きませんでしたが、その効き方は劇的でした。半年前の自分に教えたいのは、頑張り方ではなく、この「やる」と「入れる」の割り算です。
本日はこの辺で。
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中山博之(ニタ)
会計ソフト会社に29年、社長業は19年目。中小企業の現場で生まれた仕事の仕組みを、AI時代向けに作り直しています。「AI社員が働く会社」の実践を毎日発信中。

