AIの部下が3人目で回らなくなった。30代で2回失敗した壁と同じだった
こんにちは。
中山博之です。
今日は、AI社員、AIの部下との働き方についてお話しします。
■ AIエージェントは「1体、2体」と数える
AI、特にAIエージェントですね。Claude Code、Codex、Antigravity。
こういうものを使うこと自体が、もうAI社員であり、AIの部下なんですが、使っていくと、いわゆる「1体、2体」という数え方をするようになります。
そして、1体のAIエージェントだけでは、仕事が追いつかなくなってくる。
一番簡単な解決策は、AI自体に部下を持たせることです。
Claude CodeやCodexには、その仕組みがあります。たとえばサブエージェント。使い方は、AI自身に聞けば教えてくれます。
ちなみに今のClaude Codeなら、20個まで作れるはずです。
■ そこで、壁にぶつかった
人間の組織を思い浮かべてください。
普通の会社でも、行政でも、公共団体でも、財団法人でも、どんな組織でもいい。
課長とか、係長とか、部長とか、場合によっては役員や社長へと上がっていく。
その、一番最初の段階です。
マネージャーでも何でもいいんですが、部下を初めて持ったときの、仕事の仕方の壁というものが1つあるんですね。
僕自身、営業マネージャーをやったときのことです。
プレイングマネージャーでした。
自分が営業パーソンとしても数字を持ち、マネージャーとしてもチームの数字を持つ立場になった。
そこで部下が1人、2人と増えていって、3人目になったときに、チームのマネジメントができなくなったんです。
これが、30代前半に何度か続きました。
マネジメントの本を読んだり、いろいろ勉強したりして、2回ぐらい失敗して、3度目の正直で、なんとかチーム運営ができるようになりました。
これとまったく同じことが、AIで起きます。
初めてAIの部下を作る。
あるいは、AIの中にAIの部下を作る。
AIの部下が2人、3人と増えてくる。
すると、どうコントロールするのか、という問題が出てくるわけです。
これがですね、すごく厄介なんですよ。
一般の組織で経験があれば、時間が経つうちに「これ、もしかして人と同じじゃないか」と気づいて、ある程度の解決策が見えてきます。
でも、AIが初めての部下という人。その流れの中で、管理するAIの数が増えていく人は、結構これは難しいかもしれません。
■ 要するに、報連相の話です
今までの話は分かりづらかったかもしれませんが、これはいわゆる報連相です。
社会人になって一番最初に、上司やマナー研修でよく言われる「報告・連絡・相談」。
まず部下として上司にしましょう、というのが社会人の第一歩です。
ところが上司になると、今度は報連相を受ける側になるわけですよね。
これは大体やってきたことなので、1対1ならできると思います。
でも、この報連相が2人目、3人目、4人目となると、これを管理しなければいけない。
「あれ、この前報告してくれたけど、その後どうなったのかな」
みんなが優秀な部下であれば、指示命令をして、報告・連絡・相談をタイムリーに、随時やってくれる。
こっちが忘れていても、「あの件、こうなりました」「例の件、実はちょっと問題が出まして」と、すぐ言ってきてくれる。
じゃあ、AIはどうか。
人間よりはるかに優秀な面もあるんですが、とはいえプログラムです。
ルールに決まっていないことは、やってくれない。
場合によっては、ルールに決まっていても、ルール通りにやらないことが結構出てくる。
僕は最初それに気がつかなくて、結構大変な思いをしました。
これが1点目です。
■ もう1つは、人間の脳の壁
もう1点は、人間の脳みその壁です。
体力に個人差があるように、脳の力にも個人差がすごくあるんですね。
僕は「脳力」と言っていますが、頭脳の脳のほうの力です。
もちろん、学歴があるとか、司法試験に通るとか、そういうことで一定の能力は証明されます。
でも、AIを使いこなせるかどうかは、そことはまったく違う部分なんです。
言ってみたら、聖徳太子が7人の話を同時に聞けました、という話に近い。
ある意味、特殊能力なんですね。
部下が10人いる。
部下の報告を聞いて、意思決定をする。これは継続、これは中止、これはもっと増やしていこう。
そういう意思決定を、どれだけ早く、どれだけ大量にできるか。
そういう能力なんですよ。
■ 3アカウント同時に回して、眠れなくなった
いくらAIでも、さすがに同時には来ないだろう、と思うかもしれません。
今回、Fableが新規リリースされたとき、期間限定だという話が当初ありました。
それで、複数のFable枠を使うために、Claude Codeの契約を、複数アカ、2アカウント目、3アカウント目と作って、同時に走らせるということが、マニアの中で流行ったんですね。
僕も実は、3アカウント同時に回しました。
究極は、最後、月曜の16時までがFable枠を使い切れる期限、という状況になったときです。
残りを使い切らないともったいない、というので、3アカウントは同時には回せなかったんですが、パソコンを2台置いて、2アカウントは常時同時に使う、ということを3日ぐらいやりました。
そうするとですね。
2つ同時に回して、その中にセッションという会話が複数立っているので、次から次へと決裁を求められるんです。
もう一種の、脳みそがパニック状態というか、興奮状態で、夜は寝れない。
ある意味、躁状態みたいな、興奮した状態がずっと続く。そういう感じです。
そんな感じで2週間ぐらい過ごして、ちょっとその後遺症で、今もなかなか寝付けない。
睡眠不足になっています。
で、何が言いたいかというと。
そういうことを、どうやって回避、というか改善していくか。
それが、AIと向き合う、AIと仕事をしていく仕事のやり方、ということになります。
■ 答えは、人の組織を真似るしかない
結局のところ、答えは「人の組織を真似る」としか言いようがないんですね。
たとえば、もともと自分でホームページ制作をしていました、ライターとして文章を書いていました、という人は、非常に分かりやすいと思います。
自分はそういう作業をやめるか、極端に減らして、AIに任せる。
自分は決裁、意思決定だけをするポジションになる。
これが、まず第1段階です。
今までフリーランス、あるいは平社員という言葉があるか分かりませんが、そういう立場だったら、自分は1個出世する。
係長になったり、マネージャーになったりして、AIが部下になる。
その次に、AIが複数になりますね。
サブエージェントでもいいし、セッション、会話がどんどん増えていく、ということでもいい。
そうすると、この複数のAIから報連相が上がってくるので、もう結構大変なんですよ。
■ お腹がパンパンになるのと、まったく同じ
それが2つ、3つと増えてくると、自分の脳が1日に決めることのできる件数には、どうやら上限があるらしくて。
もう本当に、何も言ってくれるな、となる。
お腹が満腹の状態と、まったく同じ状況になるんです。
本当にお腹がパンパンになったら、おばあちゃんが「このお菓子、もう1個お饅頭食べていきな」と言っても、本当に取れない。
まさに、そんな状況になるんですね。
■ だから、AIの中間管理職を作る
そうしたときに、どうするか。
AIの中間管理職を作るんです。
最初の段階では、自分が作業者からマネジメントに昇格しました。
今度は、自分がもしマネージャーや課長だったら、日本で言うと課長から部長になる。
そして、課長のときに自分がやっていた業務を、中間管理職のAIを立てて、そのAIに渡す。
そのAIに、一定の決裁権を持たせる。
権限委譲と言いますが、「ここまでは、あなたが僕の代わりに決め事を決めてください。その範囲でできないことを、僕に上げてくれ」と。
これを、エスカレーションと言います。
それができるようになってくると、いわゆるチーム運営のような感じで、できる仕事の量がどんどん増えていく、という感じになってきます。
■ 延長線上のやり方では、必ず頭打ちになる
ちょっと話が抽象的すぎるかもしれませんが。
AIの仕事の仕方をある程度突き詰めていくと、AIを複数使うシーンが出てきます。
そのときに、今までの延長のやり方だけで、細かいことまで含めて全部自分で意思決定する。場合によっては、自分も作業に一緒に入り込む。
そういうやり方をしていると、自分の頭脳の力は、必ず限界を迎えます。
もちろん、やっていくうちにキャパは筋トレと同じように広がっていって、決裁できる量が増えたり、集中してできる時間が長くなったり、ということは当然あります。
でも、いずれにせよ、そのやり方の延長だけでは頭打ちになる。
だから、中間管理職のAIを作りましょう、ということです。
今度また時間があれば、この中間管理職AIをどうやって作るかについて、お話ししたいと思います。
本日はこの辺で。
※この記事は医学的な診断や治療に関する内容ではありません。本人の体感を、仕事の進め方の話として書いています。

